罪を犯した人の社会復帰支援

私たちの分科会では、「罪を犯した人の社会復帰支援」を取り上げます。罪を犯した人、いわゆる「犯罪者」 に対する社会の目はとても厳しく、厳罰化を求める声も多くあるように思います。しかし、その人がどうして罪を犯してしまったのか、刑罰を科す目的はいったいどこにあるのか、また、刑罰を受けた後、罪を犯した人はどのように再び社会に復帰するのか…。このような点には、あまり目が向けられていないのではないでしょうか。

 

罪を犯したと裁判所で判断された場合、刑罰が科されます。そもそも、刑罰を科す目的は何でしょうか。なぜ刑罰を科すことは正当化されるのでしょうか。

 

そして、罪を犯して服役した人の多くは、いずれ社会に帰ってきます。罪を犯す人の中には、住居や仕事がなく、社会との繋がりも薄い人が一定程度います。そのように、すでに社会との繋がりを失っていた人は、服役後、それらの失われた世界に戻るだけです。さらに、服役している間に社会との断絶がより広がり、その人を取り巻く環境はさらに悪化します。刑罰を科したことにより、根本的な問題は果たして解決されたのでしょうか。また、罪を犯して社会に帰ってきた人は、このような環境の中で、社会の一員として生活することができるのでしょうか。

 

令和元年版犯罪白書によると、平成30年に検挙された人の48.8%の人が再犯者であることが明らかになっています。加えて、平成30年の入所受刑者における性別ごとの再入者率(入所受刑者人員に占める再入者の人員の比率)は、男性が60.8%で、女性が49.1%であることがわかります。さらに、再入者(入所度数が2度以上の者)のうち72.1%が無職者であることも示されています。

 

また同犯罪白書によると、平成30年の出所受刑者のうち満期釈放者等(仮釈放者にたいする保護観察のような継続的な社会処遇の仕組みがない)については、そのうち42.0%の者の帰住先(刑事施設出所後に住む場所のこと)は「その他」、すなわち、帰住先不明、暴力団関係者、刑終了後引き続き被告人として勾留、または出入国在留管理庁への身柄引渡し等になっています。

 

出所者は『「金なし(無職)」、「宿なし」、「寄る辺なし」の三拍子そろった者たち』(掛川直之『不安解消!出所者支援―わたしたちにできること』、旬報社、2018、69頁)といえます。刑罰を受け終わったにもかかわらずです。そのような人たちが自力で社会の中で生活できる環境を整えるのはかなりの困難を伴います。そのため、罪を犯した人が再び社会の中で生活するための社会復帰支援が不可欠とされているのです。

 

社会復帰支援において、私たち社会にいる側の理解は欠かせません。刑罰とはいったい何なのか、刑罰を科すだけで終わってしまってそれでよいのか、刑罰を受けた後、罪を犯してしまった人が本当の意味で社会に復帰するために、私たちはどうあるべきか、一緒に考えてみませんか?

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