野宿者の人権問題

「住所がない人は受け入れられない」――

大型の台風19号が関東地方を襲い、大規模な河川の氾濫をもたらした昨年10月。台東区の公設避難所を訪れた野宿者(狭義の「ホームレス」)の男性2名が、野宿者であることを理由に収容を拒否されました。それは現場の判断ではなく、台東区長を本部長とする台東区災害対策本部の意思決定に基づくものでした。
このような台東区の対応は強い非難を浴び、数日後に区長が謝罪することとなりましたが、テレビ番組やインターネット上では、避難所の衛生や「納税者優先」といった観点から、台東区の対応を支持する意見も少なからず表明されていました。

そして2020年。
新型コロナウイルス感染症が大流行する中、各地で支援団体による炊き出しが減り、収入源となるアルミ缶などの廃品も集めにくくなって、野宿者の生存は強く脅かされています。また、感染を怖れ、捨てられたマスクを洗って繰り返し着用する方もいらっしゃいます。
さらに、3月には、岐阜県で野宿生活をしていた81歳の男性が、少年5人による執拗な暴行の末に殺害されるという、あまりにも痛ましい事件がありました。

このように、野宿者は、自然災害、病気、飢餓、人からの襲撃といった、多様で重層的なリスクに絶えず晒されている存在といえます。

当分科会では、福祉や法の側面から野宿者支援に取り組んできた講師の方々にお話をうかがい、私たちの国や社会が、その構成員である野宿者にどう向き合うべきかを考えます。

記事一覧に戻る
single.php
TOPへ